【完】溺愛したいのは、キミだけ。
再びニコッと微笑んだ彼と至近距離で目が合って、心臓が勢いよく飛び跳ねた。


うぅ、どうしよう……。

まさか、翠くんにまでこの前髪のことを突っ込まれるなんて。


しかもこんな地味顔を間近で見られるとか、恥ずかしくて死にそう。


それなのに、なぜか珍しいものでも見るかのように、私の目をまじまじと見つめてくる翠くん。


お願いだから、そんなに見ないで……。


「涼川って、キレイな目してんだね」


「なっ……!」


なにそれ。キレイな目? 私が??


「しかも、まつ毛長っ」


「あああ、あのっ……」


私が真っ赤になってうろたえていたら、翠くんはそこでクスッと笑うと、「ごめんごめん」なんて言いながらパッと手を離した。


そして、今度はその手を私の頭に乗せると、ポンポンと叩いてきて。


「そんじゃ、掃除頑張れ~」



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