平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
幼獣達が奪われたと気付いたのか、岩場の方から増した騒がしさが聞こえてきた。

「獲物を奪われたぞ!」

「チクショーっ、一体どこのグループの人間だ!」

「探せ! 白獣の幼体を奪い返せ!」

複数の人間が駆けてくる足音が聞え始める。

追い付かれて捕まってしまったら、殺されてしまう。そうして、この子達を守れないまままた奪われてしまう――リズは、不安と緊張で心臓がドクドクした。

もっと速く走らなければ。

そう焦りが増すと、木の根や土にも足が取られそうになった。

「ヴォンっ!」

その時、落ち着けと一喝するようにカルロが吠えた。リズは不意打ちの獣の大声に、驚いた拍子にハタと少し落ち着きが戻った。

すると後ろから「こっちだ!」と聞こえて、ギクリとした。

私のせいで居場所が絞られてしまった。ああ、私は教育係りなのに、どうしてカルロに手助けてもらってばかりで頼りない『先生』なのだろう?

そう思っていると、男達がもう見える距離にまで迫ってきた。

私の足が遅いせいだ。リズは自分の速度に合わせいるカルロを思い、不甲斐なさと悔しさに表情をくしゃりとした。

後ろから男達の怒号が聞こえたものの、振り返る余裕はなかった。胸に抱いている幼獣達を、抱き締めている腕に更に力をこめて懸命に走る。
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