平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
「泣いていたのか?」

初めてジェドが、弱った様子で秀麗な眉を下げる。

そのまま目尻をなぞられて、リズはなんだかドキドキしてしまった。直前まで震えていたことも頭から飛んで、彼の美しい青い目と見つめ合っていた。

「安心しろ、密猟団の方へはコーマック達が向かっている。すぐに片付く」

宥めるように両手で頬を包み込まれた。

頬から、じんわりと伝わってくる熱にリズも緊張が解けた。どうして、そんならしくないことをしてくるの――そんな言葉も思い浮かばない。

「…………もう、大丈夫なの……?」

気付けば、リズは彼の一つの手の上に自分の手を添え、今度は安堵からハラハラと涙をこぼしていた。

初めて見るリズの大粒の涙に、ジェドが青い目を少し見開く。

「私、この子達のこと、守れた?」

「ああ。お前は、この子達のことを守ったんだ。よくやった」

「でもっ、団長様この子達、まだ目覚めなくて」

涙が次から次へと溢れて、言葉も途切れ途切れになる。

そうしたらジェドが、「大丈夫。大丈夫だから」と両手で顔を撫で、弱ったようにリズの髪を後ろへと梳いて、自分なりに懸命に宥めてきた。

「落ち着けリズ、大丈夫だ。うちに連れて帰れば、すぐに治療も出来る。だから泣くな、大丈夫だから」

どうしてか、彼の言葉にとても安心出来た。
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