平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
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あの後、団長の執務室へと場所を移して話を聞くことになった。

長椅子にぶすっと腰を下ろして書斎机に足を上げているジェド。そばにはコーマックがいて、少し距離を置いてトナー達が見守ってくれている。

その視線の中心に立たされたリズは、正直落ち着かないでいた。

隣には、窮屈そうに『お座り』している大型級の暴れ白獣の姿がある。

どうやら大きさも一等級のこの白獣は、団長の相棒獣になる予定であるらしい。仕事の用で山に入った折り、ようやくジェドの相棒となれる戦闘獣(かれ)が見付かったのだとか。

獣本人も同行の意思があったので、先程一緒に山を下ってきた。

だが連れて来たまでは良かったものの、元よりとんだ暴れ獣だったようだ。全然大人しくしてくれず、苦戦していたところにリズが出てきた――というわけだ。

「教育係りを決めるために、動こうとしていた矢先だったんですよ……」

説明役を務めているコーマックが、言いながら吐息を滲ませた。ジェドは不機嫌面を構え、部屋の外で相棒獣達を待機させている獣騎士達も微妙な表情だ。

随分大きなこの野生の白獣は、まだ教育を受けていない。

そのせいで指示に従わせるのも難しく、他の白獣に喧嘩は売る。それでいてどの相棒獣に比べても力が強いため、ひとまず早急な教育を、と獣騎士団は考えていた。

「それなのに、まさかリズさんが出てくるとは思ってもいなかったんです」

「私の方もまさかの状態なんですけど」

リズは、心労で頭が痛いみたいな顔をしたコーマックに思わず言った。死ぬ思いで走ることになったうえ、度肝を抜かれた結果がこの現状である。
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