平凡な私の獣騎士団もふもふライフ
開いた戸から頭を覗かせて待っていたカルロが、顰め面で入ってきた。幼獣達が初めて見る大きさの白獣を前に、テンションマックスで足元でぴょんぴょんはね出すのに気付くと、少しだけ困ったように一歩ずつ慎重に足を進める。

「順番にみんな抱っこしてあげるから、少し落ち着いて、うきゃっ」

自分はおんぶー、と言わんばかりに二頭の幼獣がリズの背にダイブする。

リズはびっくりしてしまったものの、頬にすり寄る幼獣も、愛情深く撫でた。完全に下に見られているんだろうなぁ、とは感じたが可愛いので仕方ない。

温かいし、ふわふわで幸せだ。

他に人の目もないリズは、警戒心皆無でふにゃりと微笑んだ。

その途端、近くで腰を下ろしたカルロが、むっと鼻の上に小さく皺を寄せた。存在を主張するように、どの白獣よりも優雅な尻尾でリズの背に合図する。

「ひぇっ、くすぐったい……!」

唐突のソフトタッチに驚いて、リズは振り返った。撫でられたと受け取った幼獣達が、きゃっきゃと楽しげに騒いで背中からころんっと落ちている。

「何々、どうしたのカルロ」

「ふんっ」

また尻尾を寄越されて、今度は振り向いた顔にもふわっと当たった。

さすが丹念にブラッシングしているだけある。かなり毛触りは良くて、幼獣にはない優雅なほどに長い毛並みに、一瞬「ああ、いい」と思考が持って行かれかけた。

と、続いてカルロが、ぐいぐい鼻先を押し付けてきた。

「えっ、ちょ、カルロは力強いんだからそんなに押さないで」

すると幼獣達が、自分達も! と言わんばかりに喜び爆発で飛び込んできた。
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