きみは俺だけの彼女


「雪姫?」

聞えた声にドキッと心臓が返事した。



振り向くと嶋村くんが立っていた。



「今日は寝てなかったの?」

少し笑って前回のうたた寝を示唆するから視線を庭に戻してちょっとふてくされる。



「今日はまだ眠くないから」

可愛いくない態度だとわかっていても
今更、可愛いく見せようなんて思わない。



「また外に行きたいの?」

「……今日は行かないよ」

またも前回の庭でのことを言ってる。
ポツリと返事しながら私も前回の事を思い出した。

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