お見合い夫婦のかりそめ婚姻遊戯~敏腕弁護士は愛しい妻を離さない~
式場から家へ戻り、早速私と拓海は向かい合った。
なにか言いにくいことがあるのか、拓海はなかなか口を開こうとしない。だから、思い切って私から訊いてみることにした。
「拓海ったら、なんであんな勘違いしてたの」
聖司さんが、私の忘れられない人だなんて。こうして再会するまで苦手意識こそあったけれど、聖司さんのことをそういう対象として見たことなんて一度もない。
「だって、夏美あの人と会ってから様子がおかしかっただろ?」
「えっ、そう?」
「そうだよ! 俺のこと妙に避けてたし、ぼーっと考え込んでいることも多かった。だから、園田さんと再会して動揺しているんだと思って……」
私が拓海のことを避けていたのは、佐奈さんのことがあったからだ。拓海の手前、なにもないふうを装っていたつもりだったけれど、彼はちゃんと気がついていたんだ……。
「その頃は、色々考えることが多かったから……」
「色々ってなんだよ」
佐奈さんのへの気持ちを確かめるなら、今しかない。私は、覚悟を決めた。
「……拓海は、佐奈さんのことが好きなんだよね?」
私が言うと、拓海はピタッと動きを止めた。理解できないといった感じで眉をしかめたかと思うと、だんだんと驚きの表情に変わっていく。
「はあっ? 俺が、佐奈を? なんでそうなるんだよ!?」
「え、だって……」