好きなんだから仕方ない。
眠っているエイミア様をなるべく綺麗な場所に寝かせて俺が椅子に座った。そういえば、ここに来てからずっとこうやって横になって眠っているエイミア様を見ていなかった気がする。
ずっと俺を気にしてくれていたから?それとも俺が気にして見ていなかったのか?この寝顔を守れていなかったのか?

「起きましたか。・・・少し宜しいですか」

「・・・何かありましたか」

「あなたを治癒させようとした時、体から離れていた肉片が自己再生を始めていました。エイミアはあなたに何をしたのですか」

何をしたと言われても、俺が何も出来ていないという事以外頭に残っていないからな。何か絞り出せと言われれば、強いてあげるとするならば俺を生き返らせてくれたあの時じゃないのか?
城にいた頃の俺はすぐエイミア様の所に迎えるよう、鼠が走る音でも目覚めてしまっていたから。だから、油断して今回刺されてしまった訳だし。もうあんな表情をさせないと思っていたのにな。
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