好きなんだから仕方ない。
ずっと眠っていたのか塔の屋上で緑とも紫とも言える光の筒の中にいた。魂だけになる準備が始まっていたんだ。
嘘だと思いたかった。パルドメールと約束したのにこのまま魔界へ行ってしまうのかと焦ってしまったから。でも、力も入らず魔力も使えなかった。三人で一緒に何かしているの?それとも、この筒のせい?

「まだ動けないかい?使い方を忘れて調整が難しくてね。効きすぎちゃったかな?」

「カ・・・ナケ、ト・・・?」

「まぁ、掛けたのは俺じゃないけど。もうすぐ二人も来るから安心しなよ。状況は違うけど僕たちがあなたを守る事は変わってないから」

目は開けれなかった。声も出したつもりだったけれど口を動かせず出ていないみたいだった。でも、耳から聞こえた声はカナケトの物だった。
横にされているみたいだけど馬車の荷台とは違って柔らかくて暖かい場所。でも、三人がいるという事は神の住み処ではなく魔界。パルドメールとの約束を守る事が出来なかったんだ。
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