好きなんだから仕方ない。
契約の刻印がエイミアの背中で光り、魔界の結界から出られないようにしていたんだ。出来る限り監視していたのにどこで付けられたんだ。これじゃ無理に連れ出そうとすれば魂ごと消滅してしまう。

「パルドメール!何をしているんだ!早く行け!」

「ダメなんだ!あいつら、刻印を付けやがった!」

「はぁ!?誰が付けたか分かってんのか!?」

「思い当たる奴はいるが確証はない!」

神の住み処にいる後継者がさっさと引き上げようと近寄ってきたが、現状を改善させる事に苛立っているようだった。僕だってさっさと帰りたいのに苛つかれても困る。
このまま魔界にいればエイミアは確実に後数年で心臓が止まるだろう。でも、刻印を付けた奴を見付けてもそいつの命を終わらせなければいけない。この一つしかない方法でさえエイミアが生きられるのは五分五分。
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