好きなんだから仕方ない。
彼もまた、僕と目が合うなり“エイミア様を頼む”と口を動かして頭を下げた。本当に安心したような、吹っ切れたような表情をしていた。

「早く!門が閉まってしまいます!」

「何でお前らは俺たちの味方をするんだ!」

「僕たちはお前らの敵だ!でも!どんな状況でもエイミア様に仕える者なんだ!その事実だけは誰にも否定させない!嘘だとは言わせない!それだけだ!」

僕が斬られた事によって間に合わないと思っていた門を自分の魔力を使って無理矢理開けていたカナケト。
魔界の王に姿を乗っ取られるほど一目置かれていた彼であれば神の力で開閉できる門を開けておく事など、命を賭ければ簡単な話だろう。
そうか、だからエイミアはあんなにもこの三人に拘っていたのか。自分を愛し、守ろうと心から思ってそれが幸せだと考えて自分に一生懸命な彼らだからエイミアは助けたいと願い、神の住み処に行く事を悩んだんだ。
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