好きなんだから仕方ない。
エイミアを愛している。力尽きて倒れていく三人の表情はどれもそうやって優しかった。まるで困難を乗り越えた子供を見て安堵した瞬間の親のよう。本当に心のそこからエイミアが生き延びた事に安堵し、嬉しかったんだろうと誰が見ても思うだろう。

「あの三人は・・・何だったんだ・・・?」

「魔界に仕えながらエイミアの幸せを望んだ者。・・・たぶん、これが一番正しい表現だろう」

「・・・この事実を知れば彼女はどうなるだろうな」

「たぶん全てを嘆いて全てを拒絶し、耳も目も塞いで閉じ籠るかもな。エイミアの力があれば、僕たちが直せないくらい世界を滅茶苦茶にするかもしれない」

三人の正体やエイミアの心について訊いておきながら縁起でもない、冗談をと俺の言葉に誰もが笑った。でも、無くはない話だ。
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