好きなんだから仕方ない。
元々、エイミアは生まれてすぐ亡くなるはずだったんだ。いくら父親を変えても生まれてくる子供に負担がかかる事は目に見えていた。一番長生きして三ヶ月だろうと医師も言っていたし、皆も思っていた。でも、エイミアはちゃんと生き続けた。健康に育って愛し、愛される相手も出来た。生きる希望、生きる奇跡だったんだ。
親元を離れてからはあの国の住人が生きる希望にした。元々、そう思われるような素質か才能があったのだろう。だからあの三人も命をかけてまで守る事を望んだんだ。自分の希望を消したくなかったから。希望は希望のままにしたかったから。

「なぜ、魔界の王は彼女に執着していたんだ?どこにでもいるような、空回りが多い普通の女の子だったんだろう?」

「エイミアの母親の兄だったんだよ、あの王」

「じゃあ、パルドメール。あなたの母親の兄でもあったと言うの?」

「あぁ。妹を愛しすぎた、少し頭の狂った兄だ」
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