好きなんだから仕方ない。
三人はどんな状況に置かれても彼女に害が無いよう守ってきてくれた。地上にいた時だって彼女に神の住み処へ行く事を納得させるために魔界へ連れていき、わざと魔力で動けなくさせて魔界が体に合わないんだと仕方無いんだと分からせようとした。
そんな、いつも自分のために動いてくれた愛する者が自分を守るために生涯を終えたと知ったらどうだ。三人を守るために魔界の王になる事も考えたような彼女がたかだか数百年泣いたくらいで終わると思うか?三人を守るために動いていた自分が三人に守られたんだと知って傷付かずに気持ちを切り替えて前を向けると?

「心が壊れなきゃ良いけど・・・」

「エイミアちゃんの事、異性として愛しているんだ?」

「そんなんじゃない。・・・言い表せるほど優しい愛じゃないんだ」

エイミアは皆の希望だった。僕の両親もエイミアの両親もエイミアを生かすために何が出来るのかいつも悩んでいた。
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