好きなんだから仕方ない。
本当に直感みたいな物でただ単純に気になっただけだから。企んでなんていない。でも、よく考えたら気になっただけで血国に来るなんて変わり者以外の何者でも無いのよね。魔界に集まるような容赦のない、残酷な魂を隔離している場所なんだから。

「俺より強い魂はいくらでもいるだろう」

「まーねぇ。でも、あなたにとっても悪い話じゃないでしょう?神の使いって立場を手に入れれば好き勝手暴れても誰も血国へは閉じ込められない。私も私に危険が生じたり、守りたい者に危険や悲しみが生じたりしなければ手を出さない」

「神としてそれは良いのか?」

「あなたなら大丈夫。そんな気がするの」

ステアダは分かったと言うようにため息を吐いた。だから翼の付け根、両方の
手足、首、尻尾に付けられた足枷や手枷なんかを全て取って刺さっていた毒針も引き抜いた。
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