好きなんだから仕方ない。
本当に嫌ならここで自分一人で血国から脱け出したでしょう。でも、ステアダはしなかった。足枷一つ取るのにも苦労していた私を背中に乗せ、振り落とされるなよと代わりに飛んでくれたんだ。
帰りはそのままステアダの背中に乗って元の大きさのままでいた。血国の看守に面倒かけてごめん、ありがとうと叫んでガドウを連れて。ガドウは乗せてくれなかったけれど、劣らない速さで着いてくるガドウに少し関心しながら神の住み処へ進む。
行きは地面を歩いていた事もあって神になる前の世界で言う三ヶ月くらいはかかったけれど、帰りはステアダの速さもあって七日くらいあれば余裕だった。こんなにも違う物なのかと思いながらゆっくり背中から降りるとリッヅとシアラが慌てた様子で駆け寄ってきた。

「何で一人で行ったの!?怪我は!?何であんな場所にいる魂を選んだの!」

「エイミアに縛られなくなったらこれか!どれだけ俺たちに心配かければ気が済むんだよ!大体、その魂がどんな奴か分かっているのか!?」

「でも、もうついてきてくれた訳だし」
< 183 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop