好きなんだから仕方ない。
「ちょっとちょっと!何してるの!傷口見せて!」

「この子を使いとして受け入れたいの。傷口はそれからにして」

「君を失うくらいなら何でもするから!良いから見せて!もー、何て事したの!」

良かった。やっと守れた。ウデルクの説教を聞きながらその子を助けられた事に安心して気を失ってしまった。
神の力は神には効かない。でも、全く効かない訳じゃない。消滅の力を食らって消滅はしないけれど怪我はする。その大きさのまま効く事は無いけれど、確かにちゃんと食らうんだ。
水溜まりに近いかもしれない。普通の石に水滴が落ち続ければ削れていく。それが小さく平べったいほど少ない数で壊れやすい。普通の魂がその石だったとして、神は最初から少し窪んだ場所に水が溜まっていた状態。石ほど強い衝撃を受けて削れはしないけれど何十回、何百回も同じ所に落ち続ければ少し削って深くなる。だから普通の攻撃のように全く食らわない訳じゃない。
よく寝たなと思いながら目を覚ますと自室にいた。
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