好きなんだから仕方ない。
もう、何年の時が流れただろう。後数年しか残っていないかもしれない。それでも私は自分からは動かなかった。二人にもただ待ってほしいとお願いした。彼がちゃんと自分から来てくれる事を信じて。

「あ・・・、う・・・」

「私の使いになってずっと一緒にいてくれない?時間はこれからたっぷりあるんだから」

「・・・、ん・・・」

差し出した私の小指を二本指で握った彼の喉に光が集まって使いの印を作った。その時、最後の使いが決まった事もあって地鳴りが起こった。前の神の力が消えていく瞬間らしい。これでやっと、私たちが仕切る世界が産まれたんだ。
そう考えると荷が重い。でも、新しく出来た仲間の笑顔を守るためにも神の仕事はきちんとしないと。それがいつかちゃんと結果に繋がるから。
ただ、彼に名前はなかった。それはウデルクに聞いてもパドメに聞いても同じ。私が名付ければ良いという回答だった。
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