好きなんだから仕方ない。
他愛のない話をしていると両親がやって来て席に座った。長男に仕えている女中の話だと長男は風邪で動けず、食卓を囲める状態では無いらしい。後で果物でも届けてもらおう。

「エイミア。この間の話なんだけど今日なんてどう?」

「出来かねます」

「またあいつと出かけるのか?少し距離が近すぎるんじゃねぇの?」

「そうでしょうか。そこの兵士と兄上の関係と同じだと思いますが」

食事を終えて席を立とうとすると、次男が耳元で話し掛けてきた。長男が風邪を引いて邪魔できないから良い機会だとでも思ったのでしょう。
今回の試練は各々指示された物を隠し持っている召し使いが誰なのか当てる事。人を信じる心と嘘を見破る目を見定め、変な取引に国を巻き込んでしまわないか調べるといった所かしら。
それとも、自分から言い出てくれるよう促す能力が目的なの。
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