好きなんだから仕方ない。
自室に戻ってからもそんな事を窓の外を見ながら考えていた。そう考えるのも最初の野菜の試練が関係している。
最初の試練は集めてから処理するまでが判定範囲だった。量も速さももちろん大切。だからそれだけ見たら私は一人で負け。速さでは次男、量では長男が勝ちだった。

「エイミア様、本日はいかがなさいますか?」

「特に決めてない。取り合えず今は長男のお見舞いかな」

「・・・かしこまりました。果物を用意させますか?」

「ありがとう。お願い」

私の事を異例と言った国王の意図が見えない以上、下手に動いて目立つわけにはいかない。そのせいで最初の試練は無かった事になってしまったのだから。選ばれたくないからと中途半端に首を突っ込んでは混乱させてしまうだけみたいだし、どうしたら良いのかしら。
< 23 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop