好きなんだから仕方ない。
エミィ様にとってどういう意味で言ったのかは分からないけれど、少なくとも今はそれで十分という言葉でトワは救われた。知らぬ間に罪の意識を持ってしまったトワの心が救われただけ、良しと考えよう。

「良いんだよ、何でも。大切な人が笑ってくれていれば、何があっても最後に幸せだったって心から喜んで泣ければ案外それで良いもんなんだよ」

「俺が言わせてやるよ。君が消滅する時、今度は楽しかったって笑えるようにしてやる」

「・・・約束だよ」

彼女の小さな小指と俺の小指をしっかり絡めた。約束だ。それをずっと望んでいた、後悔していたいつかの俺のためにも泣いていた彼女のためにも。
これからは辛い事があっても最後はちゃんと笑えるよう、悲しくても心から幸せだって笑えるように手を差し出すから。だからちゃんと、握り返してくれよ。
同じ決意を固めるかのようにトワの人差し指とステアダの尻尾の先も絡まった。
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