好きなんだから仕方ない。
魔界の城にある応接間へ通してくれた魂に感謝しつつ、用意されていた椅子に腰を下ろした。だってあの魂、前に池に吸い込まれた魂と同一人物なんですもの。住みやすいかどうかくらい気にするわよ。

「エイミア様っ・・・!・・・本当に、ご本人で・・・?生きておられて・・・っ!」

「久し振り。二人も元気そうで何よりだわ」

「本当に・・・、ご無事でっ・・・」

特にクロエラは枯れてしまうほど泣いていた。本当に愛されていたのね。ううん。思いっきり安心してしまっているんだから愛されていたんじゃない。愛し合っていたのね。
時が流れすぎてエイミアの時の感情が薄らいでしまっているけれど、それでも分かるほど愛していたんだ。だから私は何とかして二人が消滅しない方法を選ぼうと、探そうとしていたんだ。自分のために苦労してくれた二人だからまた私の勝手な理由で消したくないと。
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