好きなんだから仕方ない。
本当に大切に思っていたから触れたいのに体が震えている。助けてもらってばかりの無力な私が触れて良いのかと躊躇っている。
本当は思いっきり抱き締めたいの。本当に、本当に生きていてくれて良かったって大声を上げて泣きたいの。でも、力が出なかったとは言え見捨ててしまった私にそんな資格あるの?

「エミィ?」

「エイミア様に触るな!」

「止めてっ!」

固まってしまった私を天界の皆は心配してくれていた。どうしたら良いのか分からなくなってなのか、トワは我に返そうと腕に触れてくれた。でも、神や使いに殺されて警戒してしまうのは仕方のない事なのよね。
クロエラとカナケトは魔力で作った光の玉を飛ばしてトワを攻撃しようとした。でも、自分でも分かってしまった。私にはもう、二人といたエイミアであった時間は過去になってしまっているんだ。だから考えるより先に体が動いた。
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