好きなんだから仕方ない。
その後、私たちは魔界をエイミアの時にいた星に移して天界の住人もそれぞれ違う星に住まわせた。天界と呼べるのはもう神の住み処しか残っていない。魂を住まわせた星も何をどうやっても不可能な位置を選んで互いの魂が干渉できないよう工夫に工夫を重ねた。

「忘れちゃったね、エミィの事」

「どうだろうな。ガドウのように記憶では覚えていなくても魂が覚えているという事はあるからな」

トワとステアダが魔界の星を見ながら二人の行方を話していた。確かに二人の口から私の名前は出てきていないし、クロエラやカナケトという名前も出てきていない。
ただ、魂は覚えているんじゃないかなって思う。思いたいだけかもしれない。でも、生まれ変わったクロエラは神社の神主になってカナケトはクロエラの親友としてずっと一緒にいてくれている。偶然でもその事実が私を覚えていてくれているようで嬉しかった。
そういえば、ガドウが最後に二人としっかり握手してくれたのは話を合わせてくれただけだったのかな。
< 240 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop