好きなんだから仕方ない。
リッヅも最初に発した言葉は魔界の星の事だった。

「おー、エミィか。星の方はどうなってる?」

「リッヅが神になる前の時代に似てるよ。争いもあるけど保守的な人が多いから大きな損害までは出てない。リッヅの方の星はどう?」

「あー、あの状態か。争いが長引いて面倒なんだよなぁ。・・・あ、俺の方はぼちぼちだ。そっちと大して変わんねぇ」

本当に面倒臭そうに後頭部を掻いたリッヅはそばに行くと自分が生きていた時代の話をしてくれた。自分たちからは戦いを仕掛けないが、仕掛けられれば戦う。そんな状態だからいつも他国を疑っている割には自分たちから戦いの火蓋を切る訳にいかないと手出しはしない。だから、国に仕えていない魔女や盗賊に頼んで他国に攻めいってもらう事もあったのだとか。
星の状態を見ると確かにあまり変わらなかった。死人が出ない程度に戦ったり差別をしたり。でも、こんなに心が表に出ている争いも珍しいかも。少し心のままに生き過ぎちゃっているのかな。
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