好きなんだから仕方ない。
「お願い、エミィ。何か言葉を頂戴」

「ウデルクの奪った命の数だけ救われた魂がある。その中に感謝している魂がいる事を忘れないで」

神同士では力が弱くなると分かっているのに。嘘でも建て前でも良いから拠り所が欲しかったのかな。私が願いの能力を持っているから。
ウデルクの涙がちゃんと止まってからメルシオの部屋に向かった。ウデルクは量があって持ちづらいだろうとガドウに皆がくれた物全て入るくらい大きな箱をくれた。
皆には資料を渡す事が目的だった。星の話はついでだった。でも、メルシオは一つ多い。翼のあった傷を数万年経った今でも気にして見てくれていた。
もう傷も塞がっているし、たまに痛むくらいで問題ないんだけどな。心配性なのか、ただ単に神の情報を一つでも多く集めたいだけなのか。でも、メルシオが気にしてくれているおかげで分かった事もあるんだよね。
例えば、私はこのまま塞がるだけで終わったけれどパドメの翼は再生して前と変わらない機能を果たしている。一番最初にトワを連れて帰った時、ウデルクも翼の一部を失ったけれど再生した。でも、ウデルクの場合は失った部分が再生しただけで飾り程度にしか役割を果たしていない。
< 250 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop