好きなんだから仕方ない。
私の専属で仕えてくれている者はクロエラを入れて五人。明け方から夕方まで見張ってくれている兵士と夕方から明け方まで見張ってくれている兵士が二人ずつに執事のクロエラ。
ミセラさんは私の専属じゃない。母と私、女の王族の世話を手助けしてくれる者。母の相談役にもなっているし、どちらかと言えば母の専属。

「王座に興味はないけど期待はされてるからやるだけやってみるっていう精神で気楽なのでお二人からぬるく見られるのも自然な事かと」

「自然ねぇ」

「自然です」

油断させるためと思われたかしら。王座を勝ち取る気はないなから敵はお互い一人ずつだと思って集中してくれればって思ったんだけど。
結局、無い知恵を振り絞って出てきた答えは国王の意図を探ろうという事だった。そのために試練を出される度に集まり、当たっていそうな所を各自バラけて狙う。最初の試練を上げるとするなら次男は速さを追求し、長男は量で私は後処理という感じ。
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