好きなんだから仕方ない。
国王からは当てる事が試練の判定ではないと伝えられ、勝ってほしいからなどと個人的な理由で自ら名乗りでないよう言われている。専属の者は訊かれてやっとこの試練について触れられるそう。
こちらも隠し持っている数を聞かされていない。最高で三つとは言われているけれど、誰も持っていない可能性も一つか二つしか持っていない可能性もある。
他の注意事項と言えば、私たちは隠し持っている本人から差し出されるまで持っていると分かっていてももらってはいけない。試験の判決が出る最終日だけは隠し持っている本人は訊かれたら渡さなければいけないという事かな。
後は脅し取ろうと何しようと失格にはならない。そんな所は甘い気がするけど親心なんて話で片付けないと良いな。

「皆がどういう時にどういう行動を取るのか。ちゃんと見てきたから分かってる」

「左様でございましたか」

「伝えておいて。その気になったら部屋の扉をゆっくり五回叩くようにと」
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