好きなんだから仕方ない。
舞踏会の開かれている大広間の扉を開けると、いつも通りの王族以外を見下した人々の溜まり場になっていた。それでも良い。愛してくれた兵士や召し使いに挨拶してから旅立てるならどんな目を向けられても構わない。
「旅立たれるのですね」
「今までありがとうございました」
「またお会いできる日をずっと願っております」
全ての人と挨拶を終えた頃、次期国王の発表が行われた。国王の口から出た名前は次男の物だった。でも、長男が歯止めを利かせるために協力しながら行くらしい。
気付かれない内に城を出て門番をしている兵士にも最後に礼を言ってパドと帰路に着いた。歩いて行かれるのかと訊かれたけれど、私は敷地から一歩でも外に出れば王族では無くなる。馬車を使う権利はないと断った。
これでちゃんと、皆と笑顔で別れられた。クロエラたちには手紙を残していく事しか出来なかったけど、もう無関係になるのだから仕方ない。
「旅立たれるのですね」
「今までありがとうございました」
「またお会いできる日をずっと願っております」
全ての人と挨拶を終えた頃、次期国王の発表が行われた。国王の口から出た名前は次男の物だった。でも、長男が歯止めを利かせるために協力しながら行くらしい。
気付かれない内に城を出て門番をしている兵士にも最後に礼を言ってパドと帰路に着いた。歩いて行かれるのかと訊かれたけれど、私は敷地から一歩でも外に出れば王族では無くなる。馬車を使う権利はないと断った。
これでちゃんと、皆と笑顔で別れられた。クロエラたちには手紙を残していく事しか出来なかったけど、もう無関係になるのだから仕方ない。