好きなんだから仕方ない。
故郷に着くと住人の皆が祝福してくれた。見慣れない顔ばかりで誰が何で祝福してくれているのか分からなかったけれど、皆が私の帰りを心待ちにしていたのは確かだった。でも、その理由は私ではない。
母の子孫が帰ってきた事に安堵していたんだ。皆が口々に言っていた母の名前。母の血縁者である私が帰ってきたから自分の身の安全は確保されたとか、母への恩を私に返せるとか。
幼い頃にあの国へ連れていかれた私を、私という存在を祝福してくれたのはパドだけだった。
「何でパドは私を見てくれるの?」
「・・・エイミアちゃんのお母さんと僕の母が姉妹でね。ほら、写真にいただろう?エイミアちゃんの両親の前でしゃがみながら笑ってる。真ん中が僕で右が母、左が父なんだ。僕たちはあの国に行ってしまうまで皆で一緒に暮らしていた。・・・まぁ、関係的に言ったら従兄弟なんだけど。・・・君は僕のたった一人の家族なんだよ。ずっと妹のように思ってきた大切な存在なんだ。生きていてくれて本当に良かった」
故郷に着いた晩、パドに真実を聞かされた。私の本当の兄はパドであったと。
母の子孫が帰ってきた事に安堵していたんだ。皆が口々に言っていた母の名前。母の血縁者である私が帰ってきたから自分の身の安全は確保されたとか、母への恩を私に返せるとか。
幼い頃にあの国へ連れていかれた私を、私という存在を祝福してくれたのはパドだけだった。
「何でパドは私を見てくれるの?」
「・・・エイミアちゃんのお母さんと僕の母が姉妹でね。ほら、写真にいただろう?エイミアちゃんの両親の前でしゃがみながら笑ってる。真ん中が僕で右が母、左が父なんだ。僕たちはあの国に行ってしまうまで皆で一緒に暮らしていた。・・・まぁ、関係的に言ったら従兄弟なんだけど。・・・君は僕のたった一人の家族なんだよ。ずっと妹のように思ってきた大切な存在なんだ。生きていてくれて本当に良かった」
故郷に着いた晩、パドに真実を聞かされた。私の本当の兄はパドであったと。