好きなんだから仕方ない。
「エイミアちゃんは神様なの・・・?」

「そんな、大層な人じゃないわ。他の人より少し違う力を持っているだけよ。皆も使おうと思えば使えるもの。・・・助けてくれてありがとう」

子供たちは怖かったと大泣きしながら抱きついてきた。それもそのはずだ。あの中で血の繋がった両親がいた子はどれほどいたのだろう。
カナケトは昔、誘拐された事がある。でも、どこから来たのか自分が誰なのかも分かっていなかったカナケトは元国王のご厚意で兵士として雇われた。
そのせいなのか、幼子の親御さんの所に生きて帰れていない事件を新聞から切り取って保管していた。たまに見返している所に押し掛けてどれだけの子供が被害にあって再会を果たせていないのか現状を見せてもらっていた。
カナケトが保管していた中の数人の写真とこの子たちが似ているともっと早く気付けていれば良かった。
ダメだ。今までどれだけ周りに救われてきたか。どれほど世間知らずでのうのうと暮らしてきたのか痛感させられた。気ばかり立派でバカみたい。
パドは絶対に捜しに来る。必要以上に追いかけ回して来るかもしれない。まずは子供たちの身の安全を確保しなければ。
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