好きなんだから仕方ない。
書き直させているとなるともうパドという男の手からは逃れているのだろう。でも、カナケトも恨みのこもった表情をするだけでヅヌダクの問いに答えない。

「・・・知ってるんだな?」

「・・・拉致られた子供たちがパドという男の町にいるのかもしれません。エイミア様は俺が子供が拐われた事件に執着しているのをご存知でした。・・・もしかしたら、まだ未解決の事件と何らかの関わりがあるのかも」

「取り合えず、エイミア様があの男の許から逃げられたと考えて良いだろう。ここからはヅヌダクと徒歩で捜す。すみませんが、カナケトを連れてカナクサ町まで向かって頂けませんか」

息子と男は俺の提案に顔を見合わせた。構わないがそれで良いのかと。一刻も早く見つけたいのでは無いのかと。
確かに一刻も早く見つけ出したい。でも、このままカナケトの気持ちを方って置けば一人で行動しかねない。勝手に行動されて見失う事を考えたら先手は打っておいた方が良い。
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