今夜、あなたに復讐します
 


 男が去ったあと、指月に命じられ、夏菜は大量の封筒に封をしていた。

 軽く気が遠くなりそうな作業だ。

「夏菜さん、大丈夫ですか?
 お茶でも淹れましょうか?」
と笑った上林に言われてしまう。

 余程目がうつろだったらしい。

「えっ? あっ、すみません。
 私が淹れますよっ。

 ……眠気覚ましに」
と白状して二人で笑った。

「此処のだけじゃなくて、社長にも持ってった方がいいんですかね?」
と夏菜は言ったが、

「待て」
とパソコンを打っていた指月に止められる。

「私が淹れる」

「えっ、でも……」

「なんかお前、絶対的にまずいものを淹れそうだからだ」

 いやいやいや、なんですか、その決めつけ、と夏菜は思ったが、まあ、確かに自信はない。
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