今夜、あなたに復讐します
「えーと。
 お抹茶なら()てられるんですけどね」
とせめてなにかできることのアピールをと思って言うと、

「本当か?
 ミキサーとかで点てそうな奴だが」
と隅にある流しでお茶の準備をしながら、指月は言う。

「ま、たまにそういうときもありますけどね。
 あっ、アイスとかにかけるときですよ」
と夏菜は慌てて言った。

 指月は冷ややかな目で見てはくるが、口調が敬語でなくなっているのに気がついた。

 少しは気を許してくれたのだろうかな、と思う。

 っていうか、社長。
 恋愛には不器用なのか。

 ……意外だな。

 っていうか、不器用なのに、いきなりキスしてくるとか。

 不器用だからか?

 いや、別に私のことを好きでないからか……。

 って、いやいやいやっ、好きでないのにキスしてくるとかっ!
と思いながら、指月がお茶を淹れるのを見ていた。
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