蜜月身ごもり婚~クールな旦那様のとろ甘な愛に溺れそうです~【華麗なる結婚シリーズ】
「ただいま。鏡花」
俯いた私に、昔のような優しい声が聞こえ、私はそろりと蓮人兄さまを見上げた。
そこには少し困ったような表情をしていたが、決して嫌そうな感じではない蓮人兄さまがいた。
初めてかもしれない。普通に話してくれた蓮人兄さまに、私はキュッと唇を噛んだ後口を開く。
「迷惑でしたか?」
勇気を出して聞いた私に、蓮人兄さまは小さく首を振りジッと私を見つめる。
なに? 何かおかしかっただろうか? そう思っていると、蓮人兄さまはあろうことかそっと私の頬に触れた。
「そんなわけない。ありがとう」
私に触れたことも、こんな真っすぐに私を見てくれことなどあっただろうか。私の頭はパニック寸前で真っ白になる。
たった数秒がとても長く感じて、蓮人兄さまが触れたところが熱い。