嘘恋~キスから始まる君との恋~
嘘恋


「碧おはよー!」

「美香おはよー」

「ばっ!」

「うぉっ…」


朝から美香は、私に勢いよく抱きついてくる。


「テンション高いね…」

「今日も金指くんに会えるし!」

「ホントに好きだねぇ」

「えへへ」


美香は照れたように笑う。

そんな可愛い女の子は、
私の自慢の友達で幼馴染。

今年から高校生になった私達だけど、美香が好きな金指くんは中学から一緒で、たまたま高校も一緒で同じクラス。

そりゃまあ、テンションも高くなるか。


一緒に登校し、一緒に下校する。

それが当たり前な毎日だった。


同じクラスの伍姫ちゃんと萌夏ちゃんの、4人で帰っていると。
校庭でサッカー部が練習している。


「金指くんって何部だっけ?」

「金指くん、サッカー部だよ!え、いるかな…いた!」


見つけるの速っ!さすが美香。

その時、1人の部員がゴールを決める。


「っしゃーい!」


こっちを向いたその彼とふと目が合う。
長く目が合った気がした。特に何も思わなかったけど。ふいっと目を逸らし、金指くんを捜す。


「あ、いるじゃん」

「萌夏遅い!」

「美香が速いだけだよー」

「ほらー、帰るぞー」


伍姫ちゃんに引っ張られる美香であった。

< 1 / 18 >

この作品をシェア

pagetop