嘘恋~キスから始まる君との恋~
嘘恋
「碧おはよー!」
「美香おはよー」
「ばっ!」
「うぉっ…」
朝から美香は、私に勢いよく抱きついてくる。
「テンション高いね…」
「今日も金指くんに会えるし!」
「ホントに好きだねぇ」
「えへへ」
美香は照れたように笑う。
そんな可愛い女の子は、
私の自慢の友達で幼馴染。
今年から高校生になった私達だけど、美香が好きな金指くんは中学から一緒で、たまたま高校も一緒で同じクラス。
そりゃまあ、テンションも高くなるか。
一緒に登校し、一緒に下校する。
それが当たり前な毎日だった。
同じクラスの伍姫ちゃんと萌夏ちゃんの、4人で帰っていると。
校庭でサッカー部が練習している。
「金指くんって何部だっけ?」
「金指くん、サッカー部だよ!え、いるかな…いた!」
見つけるの速っ!さすが美香。
その時、1人の部員がゴールを決める。
「っしゃーい!」
こっちを向いたその彼とふと目が合う。
長く目が合った気がした。特に何も思わなかったけど。ふいっと目を逸らし、金指くんを捜す。
「あ、いるじゃん」
「萌夏遅い!」
「美香が速いだけだよー」
「ほらー、帰るぞー」
伍姫ちゃんに引っ張られる美香であった。