嘘恋~キスから始まる君との恋~
私が…?蒼宙先輩を、好き…?
そっか、好きだったのか…。
好き、なのか。
だから一緒にいる時、あんなに嬉しかったんだ、楽しかったんだ、幸せだったんだ。
そう思ってたら、涙が出てきた。
美香から離れて、気付いたら2年2組へ走っていた。
「蒼宙先輩!」
騒がしかった2年2組周辺が、水を打ったように静かになった。
「先輩のこと、好きです!」
どこに先輩がいるのかも分かってないのに、気付いたら泣きながら叫んでいた。
蒼宙先輩が教室から出てきた。
少し困ったような顔で出てきた。
「裏庭とか呼んでくれればいいのに、我慢できなかった?」
優しく頭を撫でてくる。
溜まってた涙がぶわっと出てくる。
「泣きすぎ。そんなさ、こんな30人くらいいる中でわあわあ泣かないの」
今度は優しく抱き締めて頭を撫でてきた。
温かくて、落ち着く香りがする。安心して、涙が止まる。
「碧。俺にとっては、世界で1番可愛いのはあんただよ」
「ん…」
「俺と、正式にちゃんと付き合ってくれる?」
「はい」
「証人いっぱいいるからね?」
「うん」