嘘恋~キスから始まる君との恋~
「また次の暇つぶし相手見つかるといいですね。それじゃ」
「違う…」
私は、その最後の一言を聞こえなかったことにした。
ただただ苦しかった。美香のことを嫌いになりそうで。美香がいなかったら、このまま蒼宙先輩と付き合えたのにって思ってしまう自分が、性格悪すぎて。
このまま消えてしまえたら楽なのに。
翌日から、しばらく学校を休んでしまった。
どうやって息って吸ってたっけ?
どうやって話してたっけ?
どうやって笑ってたっけ?
泣き方しか覚えてないよ…。
1週間休んだ頃か、さすがに授業やばいなと思い、学校に向かう。特に美香に連絡は入れてなかったので1人で登校。
教室に着くと、先に美香が来ていて、凄まじい勢いで私に抱きついてきた。
「碧!ごめん!苦しかったよね!ごめんね!気付けなくて!!」
突然のハグに戸惑いが隠せない。
「私が菅田先輩好きなの、嘘。ごめん、碧に嘘ついた」
「どうしてそんな嘘を…?」
「ちょっと訳があって…とにかくね、そのせいで碧のこと苦しめたから…本当にごめんなさい」
話が入ってこない。
「碧は、菅田先輩のこと好きなんだよ?私は変わらず金指くん一筋だよ!だから碧は、手を引かなくていいの。ね、菅田先輩にちゃんと言ってきて!」