嘘恋~キスから始まる君との恋~


「また次の暇つぶし相手見つかるといいですね。それじゃ」

「違う…」


私は、その最後の一言を聞こえなかったことにした。

ただただ苦しかった。美香のことを嫌いになりそうで。美香がいなかったら、このまま蒼宙先輩と付き合えたのにって思ってしまう自分が、性格悪すぎて。

このまま消えてしまえたら楽なのに。

翌日から、しばらく学校を休んでしまった。


どうやって息って吸ってたっけ?

どうやって話してたっけ?

どうやって笑ってたっけ?

泣き方しか覚えてないよ…。


1週間休んだ頃か、さすがに授業やばいなと思い、学校に向かう。特に美香に連絡は入れてなかったので1人で登校。

教室に着くと、先に美香が来ていて、凄まじい勢いで私に抱きついてきた。


「碧!ごめん!苦しかったよね!ごめんね!気付けなくて!!」


突然のハグに戸惑いが隠せない。


「私が菅田先輩好きなの、嘘。ごめん、碧に嘘ついた」

「どうしてそんな嘘を…?」

「ちょっと訳があって…とにかくね、そのせいで碧のこと苦しめたから…本当にごめんなさい」


話が入ってこない。


「碧は、菅田先輩のこと好きなんだよ?私は変わらず金指くん一筋だよ!だから碧は、手を引かなくていいの。ね、菅田先輩にちゃんと言ってきて!」


< 15 / 18 >

この作品をシェア

pagetop