わたしにしか見えない君に、恋をした。
「愁人のおかげってどういう意味ですか?」

「あー、何でもない。流奈ちゃんが気にすることじゃないから。でさ、今度の試合見に来てよ?俺、流奈ちゃんの為に絶対ゴール決めるから。インドアやめて外に出なきゃ」

「ははっ……そうですね……」

「女友達もつれてきていいから。やっぱ女の子がいた方が華があるしね。スタンドからキャーキャー言われると燃えるから」

「ハァ……」

目の下が痙攣する。愛想笑いももう限界だ。

「愁人も基本インドアでしょ?みんながワチャワチャやってるときも、アイツ冷めてるんだよね。可愛い女紹介してやるっていっても今はそういうの考えてないとか言ってさ。調子狂うんだよねぇ。マジでサッカーバカ」

「っ……」

「サッカーうまいと女にモテるし、選び放題だから。いろんな女とちょっとずつ遊ぶのが楽しいのに。強引にいけば大体どんな女も落とせるし」

先輩の言葉がいちいち引っかかる。

「その点、愁人は真面目すぎるんだよね。あぁ、そうそう。愁人だけじゃなくてさアイツも……――」

きっと悪気はないんだろう。でも、こうやって毎回愁人にちくちく小言を言っていると思ったら腹が立ってきた。

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