わたしにしか見えない君に、恋をした。
ゲーセンの出口へ向かう途中、プリクラ機の前で立ち止まった湊はジーッと機械を凝視した。

「これ、加工できるんだな」

「うん!髪の色とかも変えられるし全然別人になれちゃうんだよ。湊は撮ったことないの?」

「多分ない……、と思う」

そうだ。湊には過去の記憶がないんだ……。

「じゃあ、一緒に撮ってみる?」

あたしはニッと笑うと、湊の腕を引っ張って機械の中に連れて行った。

お金を入れると、湊が怪訝そうな表情を浮かべる。

「つーか、俺の姿は映んないし、流奈一人で撮ってるみたいになるぞ?」

「いいよ。それならそれで」

湊は鏡にも映らない。何度かスマホのカメラで湊の撮影にチャレンジしたものの、何度やってもカメラ越しに湊の姿は確認できなかった。

友達と撮る感覚で背景などを決めていく。

「光すげぇーな。なんか目がチカチカする」

湊は後ろから感心したような声を漏らす。
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