居候同期とフクザツな恋事情




「あれ?メェちゃんひとり?」

昼休みに食堂で席を取って待っていたら、イオに後ろからぽんと肩を叩かれた。

食堂にはよく来るけど、いつも混んでいて社員が入れ替わりも早いから、こんなふうにイオと遭遇したのは同居してから初めてだ。


「うぅん、あとで絢子が来るから席とってるの」

「そっか。じゃぁ、それまでここ座っていい?俺、たぶんすぐ食べ終わるし」

そう言うと、イオは私の返事を待たずにうどんをのせたトレーを置いて、絢子のために空けておいた隣の席に座った。


「いいけど、あと15分もしないうちに来ると思うよ」

「そんだけあれば充分。出張明けで仕事溜まってるから、ぱっと昼済ませて戻りたくて」

イオが両手を合わせてきちんと「いただきます」をしてから、割り箸を両手でパキンと割る。

その動向を横目に見守りながら、内心そわそわとしていた。

今朝、一緒に出勤してきてオフィスの入り口前で別れたイオが、まだ数時間しか経っていないのに隣にいる。

部署が離れているイオとは会社内で滅多に会わないから、なんだか妙に落ち着かない。


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