居候同期とフクザツな恋事情


「朝ご飯食べたかったなら、私が作るのに」

イオはいつも遅起きだから、毎朝トースト半分とコーヒーという適当朝ご飯を済ませてから仕事に行っている。

それが、今朝は自ら作ってまで朝ご飯を食べて行こうとするなんて。

訝しく思って首を傾げていたら、イオが私用に作ってくれた朝ご飯のお皿を寄せてきた。


「だいぶ失敗だけど、よかったらどーぞ」

見た目通りに実際の味もあまり良くなさそうだけど、せっかく作ってくれたものを無下にもできない。

仕方なく椅子に座ると、焼け過ぎトーストと超完熟目玉焼きを見つめながらお皿のそばに置かれたフォークをとった。


「どうして、今朝は急に朝ご飯作る気になったの?」

「あー、うん。俺も少しは役立てるようになろうと思って」

「役立つって?」

「うん。俺さ、やっぱり、約束通りの期限でここを出ようと思う」

「え?」

イオの言葉に、右手からフォークがぽとりと落ちる。


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