居候同期とフクザツな恋事情


イオの言っている意味がよくわからなかった。


「どうして?私のこと、好きって言ったのに……」

昨日の夜、ちゃんとお互いに言葉で気持ちを伝え合った。

抱きしめ合って眠った夜はとても幸せで、私たちが本当の意味で一緒に過ごすのはこれからだと思ったのに……

フォークを落とした右手を握りしめて、テーブルを叩く。

泣きそうに睨む私を見て、イオが困ったように首を傾げた。


「あ、ごめん。メェちゃん。そういう意味じゃないよ?」

「そういう意味じゃないって何?」

「ここ、メェちゃんが寮扱いで借りてる家でしょ?だから、俺もちゃんと考えなきゃって思って」

「何を?」

不信感いっぱいの目でじとっと睨むと、イオが私を見つめて困ったように笑いかけてきた。


「メェちゃんとちゃんと付き合うなら、こんな居候の身じゃダメじゃん?だから、家もちゃんと探すし。それで、そこで俺と一緒に住まない?」


< 236 / 240 >

この作品をシェア

pagetop