その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―


「土曜日の夜のデート、楽しみにしてますね」


嫌な想像に完全に支配されてしまった私を、広沢くん蕩けそうなほど優しい目で見つめて甘美にささやいた。

頬をつーっと撫でた広沢くんの指先が、私の顎を引きあげる。

広沢くんの唇が私のそれと重なって、熱い舌が絡まる。

広沢くんの熱は確かに感じられるくらいそばにあるのに、私の心はずっとうわの空なままだった。


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