その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
◇
『れーこさん、何時に着く?』
新幹線に乗り込んだ私が、ようやく落ち着いてスマホを見ると、広沢くんからメッセージが届いていた。
気が付かなかったけれど、それは随分と前に送られてきている。
けれど時間的に、広沢くんは勤務時間内のはずだ。
返信はこないだろうけど、昼休みにチェックはできるだろうから。そう思って、メッセージを返しておく。
『仕事中にごめんなさい。昼過ぎには着く予定』
そんなメッセージを送ったら、すぐに既読が付いて、1分も経たないうちに返信がきた。
『俺、今日休み。れーこさんに早く会いたいから、有給とった』
「え?」
思わず大きな声が出て、隣の席の人に怪訝そうな目で見られてしまう。
慌てて口元を押さえると、しばらく考えてから広沢くんにメッセージを送る。
『わざわざ休まなくたっていいって言ったじゃない。それに、この前の週末、そっちで会ったでしょ?』