その瞳に涙 ― 冷たい上司の甘い恋人 ―
「お父さん、可愛いね」
れーこさんが、お腹に手を当てながらクスリと笑う。
愛おしむようにお腹を見つめて目を伏せたれーこさんの表情が綺麗で。めちゃくちゃにキスしたくなるくらい、俺の胸をゾクリとさせた。
「れーこさん、して。おかえりのキス」
髪を撫でて、少し姿勢を低くしながらねだると、れーこさんが困ったように眉根を寄せる。
その顔をじっと見つめていたら、照れ臭さそうに横髪を耳にかけた彼女が俺を見上げて距離を詰めてきた。
目を閉じたれーこさんの唇が、躊躇いがちに俺に触れる。
「おかえり、律」
「ただいま、れーこさん」
れーこさんが、恥ずかしそうに笑いながら俺にささやく。
それを聞いたら我慢できなくなって、結局俺のほうからもう一度彼女の唇を塞いだ。
耳元に、「愛してる」の言葉を添えて。
《Fin》


