復讐の華

この2週間で変わったことといえば、小谷沙耶がパッタリと倉庫に来なくなったことだった。


これから起こることに自分が関係ないと思わせる為と、恐らく私への最終宣告。


あの日、彼女は私を追い出すと言った。


そのあとも私が水憐に関わり続け、水憐と離れる気がないと分かって、今頃作戦でも練っているのだろう。


どんな企みだっていい。


必ず私は、あなたからその座を奪ってみせる。


学校には水憐の目がある。倉庫も然り。


だから私を狙うとすれば、家へ帰る道中。


『私がコールを1回で切ったら、良いタイミングで水憐に連絡して』


ある人へ向けてメールを打つ。


これで算段はバッチリだ。水憐が来るかどうかは、私の賭けなのだけれど。

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