復讐の華
もしかしたら私は皆んなに守って貰えないかもしれない。
私たちの間に名前なんてないのだから、その可能性は十分にあった。
だけど私は妙に自信があった。必ず來は私の元に来ると。
ついにその日が来たのはそれから数日後のことだった。
今日も放課後に水憐の倉庫に寄り、そこを出たときから人につけられていた。
流石に倉庫の近くじゃ攫えないから様子を見ているんだろう。
そこから大分離れた人気のない暗い道。
1人ではない足音が駆け寄ってくるのが聞こえた。
私は用意しておいた通話画面で、ポケットの中で発信ボタンを押す。そしてすぐに切った。
これであの人が水憐に連絡をしてくれる。