きみと秘密を作る夜

別れ



テストは終わった。

晴人に会ったあとで受けた教科は、ぼろぼろだった。


自分がこれからどうするべきなのかと迷い続けていた時、スマホが鳴った。



そこには久しぶりに見た遼の名前が。



「元気?」


恐る恐る通話ボタンを押すと、遼の開口一番は明るいものだった。

おかげで少しだけ、緊張がほぐれたように思う。



「なぁ、テスト終わったんだろ? 会わない? うちの学校も昨日テスト終わったとこだし、ちょうどいいタイミングだと思うんだけど」


遼と距離を置いて、3週間ほどになるだろうか。

こんな中途半端な状態はそろそろ限界だろうと私も感じていたところだったので、「そうだね」とうなづく。


電話を切り、決意を固めて私は、家を出た。

< 235 / 272 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop