嫁入り前夜、カタブツ御曹司は溺甘に豹変する

 先に四人分の飲み物がテーブルに配られて、仁くんの「お疲れ様」という挨拶で乾杯をする。

「今日集まってもらったのは、俺と花帆の関係について知っておいてもらいたかったからなんだ」

 仁くんがすぐに本題に入った。

「俺たちが幼馴染だというのはみんな知っていると思うけど、実は婚約をしていて、二ヶ月後に式を挙げる予定をしている」

 ホテルですべてをさらけ出した翌日、気になっている式場があると話をしたら、すぐに仁くんが問い合わせをして、その足で見学に向かった。

 想像以上に理想的な場所だったのと、希望している日程がたまたま空いていると担当のプランナーさんに言われて、運命を感じてその場で即決した。

「おめでとうございます」

 萌がくりっとした可愛らしい目を真ん丸にしている。

「びっくりしたぁ。付き合っているとは思ったけど、まさか結婚秒読みだったなんて」

「いろいろと心配してくれたのに、黙っていてごめんね」

「仕事の関係もあるし、簡単に口にできるものでもないよね。それより本当におめでとう!」

「ありがとう」

 萌の優しい笑顔に胸が熱くなった。
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